いくらなんでも歩きながらは・・・/大覚アキラ
うちの近所に、やたらと犬のフンが転がっているエリアがあって、
そこを通る時は、かなり足元に注意を払っていないとえらいことになる。
街灯もないので、夜なんかは特に要注意だ。
昨夜もそこを通って帰宅したのだが、歩きながらふと、
大学時代に付き合っていた彼女のことを思い出した。
かれこれ15年程前のことだ。
神戸は三ノ宮のセンター街を、彼女と二人で歩いていた。
時刻は夜10時すぎ。
店もほぼ閉まっていて、人通りはかなり少ない。
彼女は、何かの話しに夢中になっていて、
一生懸命ぼくに何かを話していた。
ぼくは「うんうん、なるほどね」などと相槌を打ち
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