Biotope-Head/人間
 
ら、根が横から邪魔するものだから

「お前は、また、この」

私は重質ナフサに顔を沈めてお前の根を食い千切る
呼吸は泡になる泡は鏡になる鏡は雄弁な私になって、茶化す
目が合う、死んだはずの猫の目は左右交互に重低音を鳴らす
それはウーファーの焦点、
それなりの卑怯な波、
それをコートで乗りこなす小人のニヤニヤ
それを全面的に許すボウフラの真っ赤っ赤が脳の裏や溝に張り付いて取れない

顔を上げる
袖で顔を拭う
お気に入りの白磁陶器柄シャツもダメージジーンズも瑠璃色のカーペットも
ベタベタ
ちくしょう

重質ナフサに浮かぶ根無し草がゆらゆらと私を、茶化す

「どこ
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