虫/
本村K
この世界には悲しみと喜びがあり
調和しては随分と長い生命を引きずり歩く
それなのに真実はいつも
地面にかすかに揺れていた
抜け落ちた心に行き場所は無く
無機質に針を動かすだけ
絶えず響く雑音に
生命を重ねたりした
眠りの浅い澱みに触っては
血生臭いこの世界を知った
明日もし生きていたなら
青すぎるあの空に溺れる
透き通ったビニール袋に詰めて
フィルター越しの過去も未来も全て
融ける
いつか土に還る
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