曇り/蒼木りん
 
夏が終わる頃を想い出していた
激しい太陽に
手を伸ばすだけ伸ばし
何もかも疲れきって
もう終わりだと
呟く
9月ごろの

冬は
雨の温度で終わりを知る
目に浮ぶのは
人知れず生きている
梅の蕾
ネコヤナギの花
みんな雨の雫に濡れていた

死んでゆく季節と
生まれだす季節
雷の声さえ
違うのを
誰か
聞き分けられるか


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