チョーカー/遊羽
 
繰り返される思考が
目に見えぬ法則をわざとらしく思い出し
反転をし始める
取り返しのつかぬ十数年の隔たりを
銀色のチョーカーが
重く呟きかけていた
以前よりずっと
細くなった首筋に
似合わぬほどのチョーカーの大きさが
まだ何も背負わずにすんだ
かの頃の首筋を饒舌に語り始めそうで
思わず目を逸らしてしまった


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