雪うさぎ/ベンジャミン
同じような目をしながら
ずっと眺め続けていたのでした
けれど
陽がさすほどに雪うさぎは
その身体をだんだんと縮めてしまいます
妹は淋しそうに
「兄ちゃん、うさぎは消えてしまうの?」と
僕はどうしょうもない気持ちになって
うなずくことができません
今にもなくなってしまいそうな
あの雪うさぎの瞳が
僕を見つめる妹と同じに思えて
僕は
「お前がつけてやったあの赤い実が
春には木の芽になるのさ」と
少し嬉しそうにする妹を見て
僕もまた安心するのでした
戻る 編 削 Point(6)