雪うさぎ/ベンジャミン
 

同じような目をしながら
ずっと眺め続けていたのでした

けれど
陽がさすほどに雪うさぎは
その身体をだんだんと縮めてしまいます

妹は淋しそうに
「兄ちゃん、うさぎは消えてしまうの?」と

僕はどうしょうもない気持ちになって
うなずくことができません

今にもなくなってしまいそうな
あの雪うさぎの瞳が
僕を見つめる妹と同じに思えて

僕は

「お前がつけてやったあの赤い実が
 春には木の芽になるのさ」と

少し嬉しそうにする妹を見て
僕もまた安心するのでした



     
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