月見きな粉/
仲本いすら
降り頻る悲鳴は
冬の朝に沈み
はち切れんばかりの
黄色は、空に浮かぶ
たまに、青白く光る
僕がいなくなってから
十五日経って
誰かが、奴は月に帰ったんだ
なんて
皮肉を吐いたりして
寒空に浮かぶ黄色に
もちをつく僕がいるって
誰かがまた皮肉ってた
僕はこうして、きなこもちを
食べているじゃないか
馬鹿にするなら
もっとしておくれよ
僕はきなこもちを 食べているから。
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