泣きたいけれど涙が足りなかったので、私は考えることにした。/ポロリ
その問題の前提に、なにか欠落を感じた。しかし、それを言葉にすることは、なぜだか憚られた。神への冒涜であるような、淫らな暴露であるような、そんな気がした。
私は旅に出ることにした。
はじめに出会ったのは、メシアを探す東方の三博士であった。彼らは詩とは奇跡だといった。次に出会った、「赤い靴」の作者は詩とは宗教だといった。帰る時に立ち寄った酒場で、男は詩を手段だと語っていた。彼はこれから帰って礼服に着替えプラトンにあうのだといっていた。帰ってくると、本をセンテンスごとに千切っている男が、テクストはテクストだと呟いていた。
私は書斎に座りPCを立ち上げた。
今また、1つの時代が
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