虹色物語序章/七尾きよし
 
自由につかえる時間がある

という能力

きみという名の七色の光は

まだ内側に混在しながら

そのときを待っている

これから書かれようとしている物語は

いつか一筋の閃光となって

虹色のまちへと流れていく

その物語は一人称でもなく

二人称でもなく

三人称でもなく

たとえばボクが緑色に光るとき

きみは赤色に

きみが黄色く輝くとき

ぼくは水色に透き通る

関係性の中でそれぞれが

それぞれの色に光輝き

ときには色を変え

混じり合いながら

虹色の物語はつむがれていく

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