遠雷/
こしごえ
絶望さえ透けていく
初夏の陽射しのもと
雲へ手をふり
永遠する未完の涙
生れ立ての傷が
鎖状(さじょう)に結晶し
手鞠唄(てまりうた)に弾む午後
幼き声の純粋にひそむ響き
恋の伝承
波立つ肌のいと白きさま
宙へ千切れん
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