国語の先生へ/十六夜
「詩の授業をします」
情景や作者の心情を
貴方は淡々と語る
それは
授業方針に則って
淡々と
貴方は
詩を書いたことはありますか?
教科書に載っていた
「あなた」と「アナタ」
この違いを
貴方は見抜けたでしょうか
詩を書く者として
この詩の中で
明らかに主張している
「あなた」と「アナタ」
見逃すことはできませんでした
貴方は
そのことには触れず
淡々と
淡々と
作者の心情
人となりを解説していましたね
その時
私は
詩は詩を書かない者には
分からないのだと
哀しくなりました
でも私は
詩を書かない人にも
分かる詩を書きたいと思っています
言いたいことを押し付けるのではない
感じてもらえる物を
先生へ
人となりなど
私の詩には必要ないのです
作者の心情など
私の詩にはいらないのです
読み手にとって
どう感じるか
どう思ったのか
必要なのは
ただ
それだけなのですから
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