学校/刑部憲暁
 
く 教室の空気に
すっかりまざりながら 机と椅子は
たしかにその場所にたつ と思えたものです
だれかが 日々そこにいて
はじめて教室は にぎわいとよろこび
かなしみも後悔も 未来だってわき立たせる
それなのにある日とつぜん
あんなに広大だった宇宙の眼はとじられる
ありがとう とかえすまもなく
夏のように宇宙がおわる
秋は地下室もとおりすぎてゆきます
冬をまえにして 土の日々を思い出しながら
だれかがたどってゆく足跡を
なつかしく思い出しながら
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