朝日に窓枠は枯れて/唯浮
朝日に窓枠は枯れて
錆付いたカーテンからは
夜が死んだ匂いがする
炊き立ての白いご飯が
今日はもう仕方が無いんだよ
と生きる糧を与える
箸に摘めるだけの物を
夕餉のために取っておこうか
遠くで寝坊した鶏が
ばつ悪そうに提案する
一日は丸い輪っかで
それはきっとメビウス
枯れた窓枠に腰掛けて
体内時計の壊れた女が
可もなく不可も無く
幸も不幸も一定なり
と言って欠伸をする
床に散らばるロジックパズル
枕に今日の夢としようか
咳をして日常に線を引き
こんこんと昏々と
世界が起きて女は眠る
電気の輪や日常の輪
それは天使のエゴだから
女の眠りを妨げる
だから思うにだね
ご飯の湯気が一番正しい
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