白昼夢/e R i
ベビィパウダァ、ミルクのにおい
真っ白なヴァニラ
アナタをやさしく包むふかふかのタオルケット
甘い甘いハニークッキーを焼いて
小さなお昼寝空間に溶け込む
とくとくと波打つ心臓の音
流れるように繰り返される夢の旅路
淡い年月のほんの一瞬の光
不意にぎゅっと空をつかもうとするその仕草に
思わず手を伸ばした
握られた指先から伝わる体温
ほころぶ口元から零れた吐息
名前の付けられない感情がただ咲き誇る
やさしい光に、極彩の現実
細い針金で出来た静かな時計で
昨日と今日が追いかけっこをして明日に染まる
シルバァのやかんがしゅわしゃわとお喋りを始める頃
アタシ
[次のページ]
戻る 編 削 Point(1)