無題/---
 
ないろんなコーヒーから一つ選ぶとき
君は決まって語感で決めた
ビガクブレンド、グァテマラ
読むときに口が動いてしまう癖が
俺すごく興味深いと思ったよ
薄暗いテーブル席で
くしゃみ一つもためらうくせに
静かにビガクブレンド、グァテマラ
名前がすべてのきっかけだと言った君はとても正しいと思う
それは音だけのイメージで
ビガクブレンド、グァテマラ
一切のてらいを剥ぎ取った感覚だ
言葉なんか目にない

俺たちは大好きな飲み物さえも変えていった
もうメロンソーダばかり飲んではいられなくなり
メロンソーダのメの音を切り出しただけで
町中は色を変えて糾弾するんだ
図書館は本を
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