風便り/LEO
今朝書き終えたばかりの
手紙を紙飛行機にして
あなたへと向かう
風を探している
雲ひとつない晴天の空は
太陽の傾きが眩しすぎて
方向を示すものが
見あたらない
そこへ向かう風は
何色だったかな
まだまだ固い木の芽を
冷たい風が揺らして
悪戯っぽく笑いながら
わたしの足元で回った
氷を張ったような
アイスブルーの空を
地上から見上げるだけの
わたしは風にはなれない
せめて
あなたへと向かう風は
もう少し温かいといい
握り締めた手紙は
インクが滲んで
文字も読めなくなったけれど
それでも
あなたへと向かう
風を探した
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