無題/---
ずずずずずいっと
斜めに引かれた横断歩道
白線だけ踏むつもりが歩幅が合わずに
ばらけた足取り
歩道橋はいまや展望台になってしまった
たわみながら支える柱には呪いの糞文学
その群雲みたいな走書きが冷ましたネツを俺がもらった
おひかえなすって
日吉行き最終電車が通る
心に恨みつらみ抱いたまま駅へゆけ
学芸大学駅東口
あそこにはすべての着色料がある
当たり前のように俺たちを待っている
ところで俺が言いたいのは
優しい顔してるからって
気の弱そうな挙動不審だからって
首の伸びたティーシャツだからって
部屋に生ゴミ溜めてるからって
ゆうべオナニーしてないからって
鼻が丸いからって
耳が赤いからって
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