ある夢/マオイ
 
そのバスには誰も乗っていなかった
不思議に思いながらも僕はそれに乗り込み、窓側座席に腰掛ける
ドアは閉まり、バスは走り出す

あぁ、なんと気持ちの良い朝なんだろう
走り出したバスの窓から
暖かな風に乗って草花と澄んだ川の水の香りが運ばれてくる
もう、初夏か・・・
そして、物思いにふけるでもなく
ただただ走り去る窓の外に広がる世界に見入る
白い雲と青い空と太陽と草原
あまりの心地良さに本来の目的を忘れて

どれくらいの時間が過ぎたのか、ふっと我に返る
ここはどこだ?バスは見慣れぬ1本道の高原を進んでいる
気付けば自分以外にも乗客が数名
まぁ、いいかこういう日も・・・今
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