とめどない思考/
岡村明子
独り言が止まらない
夜
にやってくる
舟
全身のけだるさを乗せ
仰向けに寝たならば
月の光が眩しくて
私は私への質問が止められない
私は私への回答で忙しい
滔滔と
滔滔と
湖上に音無く
砂のように降り注ぐ
光ばかりで
手を伸ばせば染まりそうな
独り言はなおも続く
口は動き続ける
手足でなく
あがきつづける
船頭は物言わず
山へ向かって舵を切った
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