判らないなら/アンテ
ずに
自分がついた嘘がもとで
命を落としてしまい
そのことで
人々はまた新たな傷を負いました
わたしの中身はからっぽで
空洞があいている
入り口から音が入ってくると
内側の壁に反響して
減衰して
出口から出ていく
自分で入り口に蓋をして
もうどれくらいたっただろう
出口に耳を当てると
ふぅぅん
かすかに音が聞こえる
空耳なのかもしれない
身体が震えているせいかもしれない
どちらもたいした違いはない
時々花を買ってきて
出口に挿してみる
数日で枯れてしまう
そんなたとえ話が
気まぐれに出てくるたび
自分の名前を貼り付けて
そんな詩なんて
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