そ/---
 
渋谷駅からまっすぐ歩いていくと突然現れる坂道

(首をもたげて)

ぺたんこの靴で石畳踏みつけながら
二度と帰らないと誓う

鳩が食い散らかしたゴミすらも景色

宮益坂踏んづけてわたし息をきらしている
信号は無視するためにあるような街だから
クラクションは愛嬌みたいなもので

轢かれたら
轢かれたときに考える

ゆたり歩くたくさんの自意識過剰とすれ違う
眼球に印刷されたあれやこれや
反芻しながら

ドアを開けたらわたしはもう名前を忘れる
街路樹に火を点けるライターすら忘れてきた

ポケット探りながらきみの歯を思い出した



それはあまく光ってわたしに弔辞をささやいた
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