おかしな君へ/
和泉 誠
そりゃ今はたしかに色々と不自由だが
昔に比べりゃすごくいいんだ
だけどこのまま檻の中で一生を終えてもいいとは思わない
俺はいつかこの檻を抜け出すつもりだぜ?
やっぱり狼には自由が似合う
獲物を追いかけ、追いつめ、牙を立てる
そしてしたたる血に肉に恍惚とするんだ
その次の瞬間には処刑されてるかもな
でも、それでもいいんだ
あるいはその時思い出すのかもしれないな
君がくれたリンゴやみかんの味を
戻る
編
削
Point
(1)