今日も詩のある夕暮れを/umineko
昔、さ。
中国とか。日本とかでも、合戦の前に詩を詠んだりしたらしいね。辞世の句じゃなくてもさ。これから戦いって時に、詩ですよ。それがたしなみっていうか、明日死んじゃうかもって時に、詩がそこにある不思議。
翻って現代。戦場はどこかな。オフィス?現場?社外プレゼンテーションあーたら?交渉のためのだだっ広い会議室。大きなガラス窓。
だけどそこに詩はないと思う。あるのはレジメの確認とか。そらんじた時候の挨拶とかさ。そんなものだけがぐるぐる。ぐるぐる。
あるいはアスリート。トラックの片隅で、アナウンスを待つ。そこにあるのは、むしろ虚無だ。そこにも詩はいない。カミサマは少しいる。とても無口
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