強がりの裏の嘘/和泉 誠
分かっているだろう?
だって僕の強がりは
君が聞いてくれなきゃ
まるっきり意味がないんだ
君は僕にはいつも必須な憧れの人
きっと君を間近で見たら
よだれを垂らしてしまうよ
あまりにもおいしそうで
狼と羊の友情を描いた物語
そう言えばそんな映画が上映されてるね
ちょうどあんな感じだと思うよ
君と一緒じゃなきゃ観に行く気はないけれど
一枚の壁隔てて
僕らはずっとお話ししてきた
僕の話がほとんどだったけれど
この壁が時々すごく憎らしくなる
その一方で
この壁があるから安心してるんだ
僕はそれは臆病だから
僕は夢の世界の住人
だから現実と戦うのが
[次のページ]
戻る 編 削 Point(1)