アルバム セピア色の匂い/LEO
 
青い表紙アルバムの
厚さの分の年月と
重さの分の思い出が
一頁めくるごとに
セピアの匂い
胸にあふれる

微笑み手を振る
写真の中のその顔は
ふくよかな紅色の頬も
まるく黒い瞳の色も
鈍く色褪せ
微笑んだ理由
どうしても
思い出せない


一枚ずつに
表情は見てとれて
面影の残る顔を
鏡の中に
いま
映してみる

背景の空色は
あの頃も
いまも
変わらない
そんな気がして
写真と同じように
微笑んでみたけど
どれも違う

手にしたものが
多すぎて



あの頃の夢‥
セピア色の
匂いだけを残して
飛んではじけた
しゃぼんのように
戻る   Point(4)