СНЕГ/
朝倉キンジ
ウルムの大氷期のそのさなか
夜の手触りと、ほのかな曳光に、
うらがえる雪はのぼりゆく
ひかりを帯びていて、
しゃん しゃん、雪が、
ともあれ、このように、考えのまえにすでに、寒さが
いるということ。
僕らがこの、夜、雪の
奥を見ながら、思慮と、
寒さの髪で、不在で不在で不在のなかに、
純粋な因果性をあるいは見つけているということ。
あたたかさよりも、本物の決まりが、
何かとなりは、しないか?
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