接吻/
こしごえ
先生
唇が、
ふるえてしまいます。
電線に
飛行機雲が斜線して
雨上りが地上をうっすらとはいでいきます
あの日
陽炎で生まれました
わたし
浮遊する
夢みるからだで透けていき
アイスキャンデーがとけました
るりらんふりかえって先生
帰ります
ながい、ながい黄昏
通り越してきた架空の空へ
指先のつめたい熱
ふちどる唇
やはりふるえていますほそく
あなたの瞳にわたしが映って
戻る
編
削
Point
(42)