海岸/
便乗鴎
冬の海岸に
はしゃぐ家族連れはない
ほんとうに誰もいない
僕と
左手に高くある磯にみる
すらっとしたきみ以外は
心の持ちようは
テンポの遅いワルツがいい
三拍子と
三拍子がかっちりと出会い
六拍子の拍、溢れる
この拍により
波がしんと止まり
こちらからの微弱な波紋で海が満たされる
風がやむ
(そんなことを考えていた)
(海面にすら反射しない
小さな想像力で)
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