一九一七番地/こしごえ
 
三日月を笑う
瞳の奥には
最果ての傷がひそむ

傷つくことをおそれて
前へ進めるのか
団地の裏の
十字路を
青やかな銀河の右旋系
空き地の草原(くさはら)に影が伸びる夕景

期待はしません
信じず疑わず
だって月は月ですもの

土管で目を細める
猫の鳴き声
粒子がからだを通りぬけて
水で弾む




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