秋/
白雨
。少年の好きな詩人の名。
海綿のような少年の頭は、
ゆたかに水に満ち溢れた。
やがて、大波のゆりかごに彼は揺られた。
木葉は舞うて彼を傷つけ、・・・
秋、おまえの罪はどれほどか?
時よ、おまえはどうか?
今、この広場にひとり、ひとあり。
彼と彼のみが語り合い
彼と彼とが抱擁し合っている。
そうして愛し合いしている。
・・・・・・・・
秋、
日ごと情熱は去りゆきて、
憂鬱がしずかに舞い降りてきた。
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