ストロー/
虹村 凌
自分自身が嫌になる
愛する事を全力で否定して
嘘つきと呼ばれた心を抱えて
暗闇の入り口で震えている
二十年はあっと言う間に過ぎていったよ
煙草はあっと言う間に燃えて灰になったよ
時々無性に腕を焼きたくなるよ
時々無性に名前を呼びたくなるよ
時々自分が嫌になる
お前にさえ出会わなければ
思ってもない事を言える
キスも交わさず
乾いた時間だけを飲み干そう
そのストローで
そのストローで
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