わすれもの。/
 



おとついのおかあさんは にんげんだった
たまにようじを すこしわすれた

きのうのおかあさんは にわとりだった
さんぽあるいて ことばをわすれた

きょうのおかあさんは はとぽっぽだった
くびをふったら なまえをわすれた

あしたのおかあさんは はむすたーだった
つかんだものを ずらされるとわすれた



あさってのおかあさんは どんないきものなんだろう
おぼえることのない ちいさなすがた
わすれることさえできないすがた



ぼくは おかあさんがおかあさんでいてくれればそれで いい

とっくのむかしにそうであることが わすれさられていたとしても



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