冬の物語(パール・ピンク)/千月 話子
昨日の高い 高い空から
ハッカの香りを感じた のです。
それは 甘くなく
気道から凍るような
冷たさだけ残して
昼には そっと
消えてしまったけれど
これから何度と無くやって来るだろう
首と名の付く全てを覆い隠して
火を入れる 冬の中の冬
暖色が そこから濃くなって
並び終えると
とても綺麗だ とても
鮮やかに飾りつけた指先が
本当は煩わしい
先端から5ミリ
上手に折ってゆけば
フィンガーチョコレイトを食べるように
可愛い音がするだろうか
コーティングには
パールピンクが丁度良い
傍らには 私より0.2度
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