無音域/A道化
無数の雪の投身
その微かな高音
その消失跡には
無数の無音です
外套の毛羽に沿い 覆い
潅木の微妙に沿い 覆い
歩道の段差の詳細を隠しながら
歩道の段差の余地を残し 覆い
道端にて骨の露出したものを未だ傘と認め
道端にて露出したその骨の形を守り 覆い
白を投げ打つことで
形をその形に知らせ
形をその形に知らせる為
ああ 殉じるのは雪です
秘密のように隠された
わたしの為の余地にて
わたしは 利き腕を偽るようなぎこちなさに耽ることの出来る余裕 失くし
わたしは どこか遠いわたしに 無音に似てどこか遠くのしこりのみ 感
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