「十二月のスフィンクス」/プテラノドン
 
こどもが歩いていた
老人も歩いていた
とおいところで
ぼくらは一人だった
がたがた震えているかもしれない
風のあとに目覚める
かわいた沈黙のなかで
心のなかの もう一つの身体は
泣いているかもしれない
笑っているひとびとのなかで
ひとびとのなかで
ぼくらは生きていて
ぼくらのなかに
ひとびとは生きている
よそ見していたってかまわない
寝てしまったってかまわない
執拗におとずれる
朝日のように
きみやぼくは
ふりかえりもせずに
歩きだす

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