手向け(骨)(糸)(雪)(暁)/蒸発王
 
駆けて行き
自殺しそうだから俺もついていってやる

馬鹿正直にうめき

『彼女』の鉄拳を食らっていた


ざまあみろ

銀雪に残る
足跡は綺麗だ

早過ぎる初雪が
にわかに
飛行機空に降り出した





一月一日

幸せにしてやるつもりだった
男が死んだ

たった
それだけの事だ

【手向け】−1.1 暁−

女からプロポーズをさせる
情けない男だった

それでも
絶対に
幸せにしてやると思った

その矢先に
なんて酷い男だ

しかも
こんな辺鄙な場所に散骨など
何様のつもりだ


謝っても
許さな
[次のページ]
戻る   Point(3)