手向け(骨)(糸)(雪)(暁)/蒸発王
駆けて行き
自殺しそうだから俺もついていってやる
と
馬鹿正直にうめき
『彼女』の鉄拳を食らっていた
ざまあみろ
銀雪に残る
足跡は綺麗だ
早過ぎる初雪が
にわかに
飛行機空に降り出した
一月一日
幸せにしてやるつもりだった
男が死んだ
たった
それだけの事だ
【手向け】−1.1 暁−
女からプロポーズをさせる
情けない男だった
それでも
絶対に
幸せにしてやると思った
その矢先に
なんて酷い男だ
しかも
こんな辺鄙な場所に散骨など
何様のつもりだ
謝っても
許さな
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