きんぎょ・かめ・うさぎ/こん
 
「きんぎょ」

かすかに覚えている
ものごころついたとき洪水があって
まだ泥だらけの 
でも復興しかけた町で市(いち)がたって
母に手を引かれ買い出しに行った
長靴が泥でじゅぽじゅぽ 
ふと姉が排水溝に赤い金魚を見つけた
洪水で金魚屋から流れてきたらしい
「これ、飼うの」と姉が言い張り
我が家の初めてのペットになった
灰色の泥の中の赤い金魚
その後何匹も金魚を飼ったが
最後まで生きていたのはその金魚


8年生きたよ




「みどりがめ」

おまつりで買ってもらったミドリガメ
逃げ足が早くて
(カメは足が速い、と吃驚したものだ)
油断す
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