母にささぐ/あまくちペルノ
が今では
『いつ帰ってくる?おまちしてます』なんて
丁寧に電話をよこすようになった。
数ヶ月前には泣きそうな声で電話してきたりした。
口から出てくる言葉が 強がりじゃなく甘えたがりで
なんだか母親が母親でなくなった気がして、こわくなる。
同時に愛しくて、そんなところをみてほほえんでいる。
そんな私がいる。
でてくる我儘のひとつひとつを叶えてあげたい。
私がひとつひとつをゆるされてきたように。
そして、母親が私たちを守り切る為に出し続けた、
エネルギーのこと。
擦り切れそうになりながら、私と母親の今日がある。
母娘といいながらそんな気がしない。
ある一
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