母にささぐ/あまくちペルノ
 

実家の仙台に帰省する日が近づいている。ころころとこころが笑っている気がする。

昨夜母親から電話があった。
普段の連絡はおろか、
一昨年には新年の挨拶の電話さえ無かった
母親から連絡があったのは久しぶりの事だ。


私と母の関係は少し変わっている。
独りのおんなと或るおんな、とでもいうような。
いつでも、私は母親と子供ではなく
一個人として意見を与えられて生きて来た。

道を歩いていてクラスの女の子にすれ違い挨拶。
『今のあの子友達なの!』と、嬉々としていえば
『本当に友達なのか?知り合いというんじゃないか、
正しく言葉を使え』『軽々しく友達なんて使うな』

[次のページ]
戻る   Point(1)