恋文/
こしごえ
夕焼けに染まる
うしろ姿が焦れて
奇妙な鳥の羽が
手紙を星へ届けた
万年筆の青いインクでつらつらと
書かれた迷いのない筆跡で
時は重なっていて遠く定着している
斜陽は
雲にすじをひいてながい夜になりそうだ
しろがねの鳴る琴線
指先にふれる細い文字
(「きれいだとかんじるその心がきれいなのだ」)
ああ
現(うつ)し身あわく
されど
夕日に映えて
あざやかに燃やす恋文
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