【 戦死 】/豊嶋祐匠
君が死んだと聞かされた
つい
昨日の事だったと言う
砲弾が君を襲ったんだ
数千℃の灼熱の中
君がゆっくり熔けて行ったと
あの眩かった君の目は
最後まで何を見つめていたのか
あの優しかった手のひらは
何を握っていたのか
いつも笑っていた唇が無くなるまで
何を呟いていたのか
爛れてゆくその皮膚は
どんな風に君を剥いで行ったのか
皆んなを勇気づけたあの強い声は
その時、何を叫んでいたのか
最後に残った君の心は
誰の名前を呼んでいたのだろうか
声が途
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