何にも染まらない黒の/LEO
あんなにも
街中が躍っていたのに
クリスマスは、もう
両方の視界を跨いで
遠退いていったね
‥貴方と私
色あせたイルミネーション
雪の花が咲くのを待つ
‥雪の降らないこの町で
対となり
飾りを彩ったメロディも
余韻さえ見せずに
ぴたりと止んで
‥雑踏に紛れ
行き交う人の群れから
焦りにも似た
靴音だけが聞こえる
‥何もかも笑ってしまえば
もう年の瀬だというのに
星空ばかりを見上げている
‥それもいいじゃない
思い出と残るのも
記憶と残るのも
変わりはなくて
あの空に
鈴の音を聞いた人は
いるのかしら
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