手紙/虹村 凌
現実の世界が違ったり
ロッケンローターに憧れていたり
逃げる事すらしない
そんな小さな理由なんでしょう
別に生きる事が素晴らしいとも言わないし
何処かで誰かが待っているとも言わない
ただ単に死ぬって事は
どうしようも無く惨めで情けなくて格好悪くて
まぁ良い事なんて一つも無いって事だ
それでも死にたいんなら止めないけどさ
親愛なるK様へ
畜生
散々愛してるの何だのって
結局嘘だったじゃねぇか
もう何も信じられねぇよ
死ぬぜ
お前の所為だ
今はマンションの屋上にいるよ
ここから飛び降りるんだ
脅しじゃないぜ
もう煙草を吸う事も無いだろう
じゃあな
親
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