姉妹へ/十六夜
 
姉さま
姉さま
見たことのない
姉さま

私は貴方に見守られ
今を生きています

妹よ

会うことの無い


私たちは小学生までいつも一緒だった
母のお腹に生を受け
生まれることができなかった姉妹
見たことがない
会った事もない
存在すらも知らなかった

でも
私たちは一緒だった

感じていた
いつも隣に居てくれたこと
一人で学校から帰る時も
一人ではなかった

貴方達を知ったのは
大きくなってから

驚かなかった
だって
一緒だったから

両親には
話さなかった
内緒だものね

大きくなるにつれて
感じなくなってきた
見ぬ姉妹の存在

姉さま
妹よ
見守っていてくれるのでしょう?

生きたくても
生まれることができなかった
姉妹よ

私は
貴方達の分まで
精一杯生きる

見ていてね
でも
間違っていたら叱ってください

今は昔ほど感じることが
できなくなってしまったけど
私は忘れない

会うことのない
姉妹へ

いつか
また
遊べるかな
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