君宛ての手紙/和泉 誠
 
。悲しいな。
せめてもの抵抗に結晶にしてみたりするんだけどね。
その光も長くは続かないから。

ここでは満たされ続けるのは難しいんだから黙って我慢しなさい。
学校はそれを教える所。
僕はそれをちゃんと教わらなかったんだろう。
不思議だね。これでも模範生徒だったのに。

これでも一応我慢してるんだよ?
みんなは我慢できるみたいだけれど、
僕にはどうやらとても無理だね。

いつか違う世界へ行きたいって言ったけれど、
そしたら今の自分がいなくなって本末転倒になるのは
分かってるから別に心配しなくていいよ。

そうだな。あと君に伝えたいこと・・・
冬休みの間なら僕は何も新しいことをしないよ。
君が僕の歌を聞いてくれるなら、
僕はここで歌い続ける。
それくらいかな?

あ、最後に。
君を知ってから今までずっと
僕は君に聞いてもらうために歌ってた。
本当だよ。

そう言えば君も
僕がお願いしてから毎日歌ってくれてるね。
ただの偶然なのかな。
もし違ってたらうれしいな。
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