老人一揆/ポロリ
 
言うことは
 周りの誰しもが知っている。
 だが、ここにいったん入れられると
 もはや周りの者は来てくれない。
 私にはこの境遇をどう改善する術があるのだ?」

「純一郎さん
 私達は
 いつもホームのTVから
 純一郎さんに訴えかけています。
 私達は
 外出の術も無く
 暴れれば拘束され
 読物もホームの連中の脳味噌にあわされ
 死臭と嫌悪を着せられて
 週の訪問者の数で
 全人格が評価されます。
 純一郎さんからの返事は
 何年かごとの紙切れだけですね。
 しかもこの小ささでは
 言いたいことの半分も書けはしません。
 最近
 それが口枷に見えてきましたよ。」




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