老人一揆/ポロリ
 
「義男や
 あんた、あたしを年300万円で捨てたね。
 路上や山に捨てたら犯罪だけど
 ホームなら犯罪じゃないんだね。
 ゴミと同じかい?
 あたしは?」

「恵子さん?
 あなたは清次郎の反対を押し切って
 私を追い出したそうだね。
 私が血の滲む思いで築きあげ
 子供のように可愛がった会社を取り上げ
 さらに家まで奪い去り
 最後には私のプライドまで
 ボロ布のように扱うのかい?
 人としての誠実さが
 あなたには残っていないのか?」

「リズ
 君は本当に私がボケたと思っているのか?
 私が何か考えている時は
 現実からかけ離れ
 つい独り言を言う
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