神様が生まれた日に/ベンジャミン
 
神様が生まれた日に
僕は自分の始まりについて考える

蝋燭の炎がゆらゆらと時を刻み
その身体を縮めるようにして
わずなかな明かりを灯している


神様が生まれた日に
自分の存在以外に誇れるものをもたない
それだけを支えにして生きているのに


神様が生まれた日に
失われてゆく命は確かにあって
静かにそのことを思うとき

僕は寒さにふるえながら
冷たい指をくみかわしてみる

祈りはかたちを持たない

生と死にはさまれながら揺れる
あの炎のゆらめきに似た
温もりだけが伝えてくれる


神様が生まれた日に
街はとても明るく華やいでいて
それが悲し
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