朝に融ける/
 
轟く
風の音
激しさを増して
静かなはずの夜は
どこかへ消えてしまった

地面を叩く音も
一段とはしゃいでいる
久々に空が荒れたらしい

山に挟まれて
穏やかな
この土地でずっと過ごして
それが退屈だった
そんな時もあったけれど
今は
ガラス越しに響く音が
うるさくて仕方が無かった

こんな夜に限って
大騒ぎするのはやめてほしい

静かに眠りたい
ひたすらに眠っていたい


変わらない
と言う言葉で
一くくりにされた朝

待つ時間は
できるだけ覚えていたくなかった



窓はガタガタと鳴り続け
ゆっくりと
今日が昨日に変わっ
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