とんかつ屋さんに太った女の子/ZUZU
そのカップルを、うつくしく思った、
だから、それを書いておこうと思った、
もう最初の一口のようには
おいしく感じられない
とんかつを食べながら。
詩というのは、うつくしいものを、
うつくしいと書くのが詩じゃない。
きたないものを、うつくしいと、
いつわるのが詩じゃない。
ぼくはじぶんのこころが醜いとおもった。
それは、うつくしくみえたものに、
じぶんのこころが反射したのだ。
その反射が、詩だと思う。
うつくしいものは、ほんとうは、どこにもない。
すべて、ひとりひとりの、発見なのだと、思う。
とんかつ屋さんの太った女の子を、
うつくしいと思ったように。
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